「……わたしと一緒にいても……優くんは……幸せに……なれない……から……」


「……だから……なんでそんなこと思うの……？」


「…………」


「加恋ちゃん……」


「…………」


　僕は、無言で下を向いている加恋ちゃんの頬を両手で挟んで、そのまま僕の方に向けた。


「……僕は加恋ちゃんと一緒にいるから幸せなんだよ」


「……でも……やっぱり……わたしと一緒にいたら優くんは……」


「加恋ちゃんと一緒にいるから、今の僕の幸せがあるんだ」


「わたしは優くんに幸せになってほしいの。だから……」


「加恋ちゃんと一緒じゃなかったら、今の僕の幸せはないよ」


「……優くん……」


「僕には加恋ちゃんしか考えられない」


　僕は加恋ちゃんとじゃなければ幸せにはなれない。


　僕には加恋ちゃんが必要なんだ。


　加恋ちゃんが僕のすべてなんだ。


「加恋ちゃん……」


　僕は……。


「君しかいらない」


「……優くん……」


「僕は加恋ちゃんしかいらない」


「……優……くん……」


「だからずっと僕のそばにいてほしい」