「そうそう。優くんよく覚えてるね。なんかちょっと嬉しいけど」


　愛美ちゃんは、ちょっと嬉しそうな笑顔を見せた。


「愛美ちゃんの冗談やいたずらは相変わらずだね」


「でしょ」


　愛美ちゃんは、また少しだけいたずらっぽい笑顔を見せた。

　僕もそんな愛美ちゃんのことを見て、昔の愛美ちゃんのままだと思って懐かしさとほっとした気持ちになった。


　そんな愛美ちゃんを見ていると、自然に笑みがこぼれてきた。


　そして僕と愛美ちゃんは顔を見合わせて笑った。



「あっ、僕、もう部活に行くけど、愛美ちゃんはどうする？　入部するなら僕と一緒に行こう。顧問の先生に話をするから」


　僕がそう言ったら、愛美ちゃんは笑顔のまま身体を軽く左右に揺らし始めた。


　そして身体を左右に揺らしたまま、


「やっぱりやめておく。花咲さんにヤキモチ妬かれるといけないから」


　そう言って、軽く左右に揺らしていた身体をゆっくりと止めた。


「加恋ちゃんはそういう子じゃないよ」


　愛美ちゃんが入部しても、加恋ちゃんは純粋に愛美ちゃんのことを新しい仲間として受け入れてくれるよ。