「そうだよ。あっ、ねえねえ、優くん、わたしも園芸部に入ってもいい?」


「もちろんだよ。植物たちを可愛がってくれるなら大歓迎」


 ……って……愛美ちゃん?


 僕の気のせいかもしれないけど、愛美ちゃんの表情が少し曇り気味になったように見える。


「……ねぇ、優くん」


 声のトーンも少し沈んでいるように聞こえた。


「うん?」


 僕は愛美ちゃんの様子が気になりながらも普通に返事をした。


「……あの子も……いるの……?」


「あの子?」


「優くんの彼女の花咲さん」


「うん、加恋ちゃんも園芸部にいるよ」


「……そう……なんだ……」


 愛美ちゃん……?


 また愛美ちゃんの声のトーンが下がったような気がした。


「いつから付き合ってるの?」


「夏休みに入ってすぐ」


「…………」


 愛美ちゃん……?


 愛美ちゃんは無言になった。


 無言のまま愛美ちゃんは天井を見上げた。


 天井を見上げた愛美ちゃんは、ゆっくりと小さめの深呼吸をした。


 そして……。