「だから笑って、加恋ちゃん。加恋ちゃんには笑顔が似合うから」


 いつだって加恋ちゃんには笑顔でいてほしい。

 そして僕は、そんな加恋ちゃんの笑顔を見ると幸せな気持ちになる。


「優くん……」


「ねっ」


「優くん……ありがとう」


 加恋ちゃんは僕にとびきりの笑顔を見せてくれた。


 そして僕は、そんな加恋ちゃんのことをやさしく抱きしめた。


 そのとき僕は加恋ちゃんに謝ろうと思っていることがあった。


 それは、さっき僕が一方的に加恋ちゃんに……。


「……加恋ちゃん……さっきはごめんね……僕、自分の気持ちを一方的に加恋ちゃんに……」


 加恋ちゃんのことを好き過ぎてのこととはいえ、急にあんなこと……。


「優くん、謝らないで。……わたし、優くんの気持ち嬉しかったよ」


「加恋ちゃん……」


「わたしの方こそ、ごめんね。優くんの気持ちを突き放すようなことをして」


「加恋ちゃん……」


「わたしは優くんとこうしているだけで幸せ」


「僕もだよ、加恋ちゃん」


「優くん……」





 この後も僕と加恋ちゃんは、いろいろな話をして過ごした。