『自分のことを話すのは苦手なんだ』
と聖は3日目の夜に言った。
『だから光里の話を聞かせてよ』
なんだか私ばかり話しているのはずるい気もするけれど、聞き上手な聖につられて、気づけば口が緩んでいるのだった。
BGMはいつもあの歌だ。聖が1曲目ばかりリクエストするから、かわいらしい恋の歌が、私の部屋で延々と流れている。
『こればっかり聴いてて飽きない?』
と言うと、
『全然飽きない』
と即答。
まあ、そう言う私も、何度聴いても全然飽きがこないのだけれど。
話していると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
「……じゃあ、日曜日、頑張ってみる」
「うん。どうだったか、また教えて」
12時になり、おやすみ、とお互いに言い合って会話を終える。
なんだか2時間、電話をしていたみたい。おやすみと言って会話が終わるとき、いつもそう思う。
目の前には白い壁があるだけ。通話が突然途切れたみたいに、その向こうにあるはずの音も気配も、その瞬間から何も聞こえなくなる。
と聖は3日目の夜に言った。
『だから光里の話を聞かせてよ』
なんだか私ばかり話しているのはずるい気もするけれど、聞き上手な聖につられて、気づけば口が緩んでいるのだった。
BGMはいつもあの歌だ。聖が1曲目ばかりリクエストするから、かわいらしい恋の歌が、私の部屋で延々と流れている。
『こればっかり聴いてて飽きない?』
と言うと、
『全然飽きない』
と即答。
まあ、そう言う私も、何度聴いても全然飽きがこないのだけれど。
話していると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
「……じゃあ、日曜日、頑張ってみる」
「うん。どうだったか、また教えて」
12時になり、おやすみ、とお互いに言い合って会話を終える。
なんだか2時間、電話をしていたみたい。おやすみと言って会話が終わるとき、いつもそう思う。
目の前には白い壁があるだけ。通話が突然途切れたみたいに、その向こうにあるはずの音も気配も、その瞬間から何も聞こえなくなる。