そんな世界を、少しでも変えられるような手助けが、もし私にできたら……。
それはきっと、私にとって、すごく大きな希望となる。
できるか分からないけれど、勉強するなら、誰かを守る力に変えたい。
それは、すごく今の自分にとって腑に落ちる"勉強する意味"となった。
ふと気持ちが軽くなった私は、「そうか……」と知らず知らずのうちに呟いていた。
「小山先生。ありがとうございます。少しだけ、分かってきました」
「ああ、ならよかった。ずっと黙ってるから不安になったわ」
小山先生は笑って立ち上がり、「また何かあったらいつでも相談しろよ」と言って教室から去っていった。
ふと、胸の中に小さな光が差しこんだような気持ちになっている。
向かっていくべき場所ができた。それだけで、こんなにも力が湧いてくるなんて。
……瀬名先輩、私、とにかく進んでみたい。
もし、瀬名先輩ともう会えなくても、巡り巡って自分の学びが誰かの助けになれるよう。
その日私は、心理学科のある大学を新たにさらって、勉強に没頭していった。
次の日の朝。受験モードでいつもしんとしている教室が、珍しく騒然としていた。
私は不思議に思いながらも、そのザワつきをすり抜けて自分の席についた。しかし、何やら自分に突き刺さる視線を感じ取り、居心地がすごく悪い。
いったい、何が起こっているんだろうか……。
もしかして、あの痛いノートが今さらクラスメイトの皆にバレたとか。
そう思うと、一気に血がサーッと引いていく。
皆の視線から逃げるようにどんどん背中を丸めて俯いていると、バシッと背中を誰かに叩かれた。
こんな叩き方をしてくる人物は、村主さんしかいない。
「ちょっと、何猫みたいに丸まってんのよ」
「村主さん……。何やら自分に視線を感じて……」
「え、そんなわけ……あるね」
周りのひそひそ声と、物珍しそうなものを見るような視線を、今登校したばかりの村主さんも感じ取ったらしい。
村主さんは「何やったのアンタ」と小声で耳打ちをしてきたが、私はぶんぶんと首を横に振って、「何もしてない」とアピールした。
よくよく様子を見ると、皆はスマホと私を照らし合わせて、何か噂をしているようだ。
いったいなんだ……。何が起こっているんだ……。
それはきっと、私にとって、すごく大きな希望となる。
できるか分からないけれど、勉強するなら、誰かを守る力に変えたい。
それは、すごく今の自分にとって腑に落ちる"勉強する意味"となった。
ふと気持ちが軽くなった私は、「そうか……」と知らず知らずのうちに呟いていた。
「小山先生。ありがとうございます。少しだけ、分かってきました」
「ああ、ならよかった。ずっと黙ってるから不安になったわ」
小山先生は笑って立ち上がり、「また何かあったらいつでも相談しろよ」と言って教室から去っていった。
ふと、胸の中に小さな光が差しこんだような気持ちになっている。
向かっていくべき場所ができた。それだけで、こんなにも力が湧いてくるなんて。
……瀬名先輩、私、とにかく進んでみたい。
もし、瀬名先輩ともう会えなくても、巡り巡って自分の学びが誰かの助けになれるよう。
その日私は、心理学科のある大学を新たにさらって、勉強に没頭していった。
次の日の朝。受験モードでいつもしんとしている教室が、珍しく騒然としていた。
私は不思議に思いながらも、そのザワつきをすり抜けて自分の席についた。しかし、何やら自分に突き刺さる視線を感じ取り、居心地がすごく悪い。
いったい、何が起こっているんだろうか……。
もしかして、あの痛いノートが今さらクラスメイトの皆にバレたとか。
そう思うと、一気に血がサーッと引いていく。
皆の視線から逃げるようにどんどん背中を丸めて俯いていると、バシッと背中を誰かに叩かれた。
こんな叩き方をしてくる人物は、村主さんしかいない。
「ちょっと、何猫みたいに丸まってんのよ」
「村主さん……。何やら自分に視線を感じて……」
「え、そんなわけ……あるね」
周りのひそひそ声と、物珍しそうなものを見るような視線を、今登校したばかりの村主さんも感じ取ったらしい。
村主さんは「何やったのアンタ」と小声で耳打ちをしてきたが、私はぶんぶんと首を横に振って、「何もしてない」とアピールした。
よくよく様子を見ると、皆はスマホと私を照らし合わせて、何か噂をしているようだ。
いったいなんだ……。何が起こっているんだ……。