「村主さん、私……」
「うん……、どうしようか。どうしようね……」
 村主さんの瞳が、わずかに涙で潤んでいるのを見て、私は胸の中がいっぱいいっぱいになってしまった。
 心臓がはち切れそうなほど、悲しい。
 どうしたらいいのか、分からない。
 私たちはその日、途方に暮れたまま、窓の外から見える景色を眺めていた。