その瞬間、閃光からフレッドが飛び出してきて渾身の一撃を浴びた。弾みで体が空に浮き、ボキボキっとあばら骨が折れる嫌な音がする。激痛に耐えながら、俺は更なる呪文の詠唱をした。
『氷矢』
凄まじい勢いで氷の矢がフレッドに降り注ぎ、血塗れのフレッドの膝が地に付くのが空中で見えた。俺はそのままドサリと地面に倒れた。
「えっと……、二人とも同時に倒れてるな。アルティスさんは気絶してるからサルマンさんの勝ちかな?」
おおっ! と周囲から歓声が上がる。
「今日も凄かったな」
「さすがだ。やはり二人とも格が違う」
「やっぱりすげーな」
周りでは俺たちの戦いに称賛の声が上がった。
俺は審判係の騎士の勝ちの声にホッとする。
だが、体中、特にあばらが痛くて立ち上がれん。折れた骨が肺に刺さったかもな。
「今日も派手にやったねー」
苦笑しながら俺に治癒魔法をかけるのは、治癒専門の王国お抱え魔術師になったロベルトだ。ロベルトはフレッドにも治癒魔法をかけた。傷が癒えて意識を取り戻したフレッドはハッとして立ち上がった。
「くそっ、四二五勝四二六敗か。今日のところはここまでで勝負はお預けだ。明日こそ目にも見せてくれる!」
いつものように捨て台詞を吐いて血塗れのまま去ってゆく姿に、俺とロベルトは顔を見合わせて苦笑してしまった。金色の髪はまた一部が焦げて短くなっている。
あの勝負の日以降、フレッドはあからさまに下位貴族や平民を馬鹿にすることはなくなった。それに、スザンヌを始めとする他人の恋人にも手を出さなくなった。
相変わらず顔は美形だし剣も強いので寄ってくる女の子は沢山居たようだが、双方合意してるなら男女関係は本人の自由なのでそれはいいだろう。
そして同時に、なぜが俺はフレッドにライバル認定されて毎日のように勝負を挑まれるようになった。負け越した時は悔しくて俺から勝負を持ちかけることもある。そのため、日々マークに剣の特訓をして貰い、魔術も必死で勉強した。
最終学年でふと気が付いた時には、俺らは学園内のダントツの三強になっていた。
そして、学園祭の武道会を見学に来ていた王国の騎士隊長と魔導師団長にそれぞれスカウトされて超難関の王国騎士隊と王国魔導師団に入ることになったのだ。
『氷矢』
凄まじい勢いで氷の矢がフレッドに降り注ぎ、血塗れのフレッドの膝が地に付くのが空中で見えた。俺はそのままドサリと地面に倒れた。
「えっと……、二人とも同時に倒れてるな。アルティスさんは気絶してるからサルマンさんの勝ちかな?」
おおっ! と周囲から歓声が上がる。
「今日も凄かったな」
「さすがだ。やはり二人とも格が違う」
「やっぱりすげーな」
周りでは俺たちの戦いに称賛の声が上がった。
俺は審判係の騎士の勝ちの声にホッとする。
だが、体中、特にあばらが痛くて立ち上がれん。折れた骨が肺に刺さったかもな。
「今日も派手にやったねー」
苦笑しながら俺に治癒魔法をかけるのは、治癒専門の王国お抱え魔術師になったロベルトだ。ロベルトはフレッドにも治癒魔法をかけた。傷が癒えて意識を取り戻したフレッドはハッとして立ち上がった。
「くそっ、四二五勝四二六敗か。今日のところはここまでで勝負はお預けだ。明日こそ目にも見せてくれる!」
いつものように捨て台詞を吐いて血塗れのまま去ってゆく姿に、俺とロベルトは顔を見合わせて苦笑してしまった。金色の髪はまた一部が焦げて短くなっている。
あの勝負の日以降、フレッドはあからさまに下位貴族や平民を馬鹿にすることはなくなった。それに、スザンヌを始めとする他人の恋人にも手を出さなくなった。
相変わらず顔は美形だし剣も強いので寄ってくる女の子は沢山居たようだが、双方合意してるなら男女関係は本人の自由なのでそれはいいだろう。
そして同時に、なぜが俺はフレッドにライバル認定されて毎日のように勝負を挑まれるようになった。負け越した時は悔しくて俺から勝負を持ちかけることもある。そのため、日々マークに剣の特訓をして貰い、魔術も必死で勉強した。
最終学年でふと気が付いた時には、俺らは学園内のダントツの三強になっていた。
そして、学園祭の武道会を見学に来ていた王国の騎士隊長と魔導師団長にそれぞれスカウトされて超難関の王国騎士隊と王国魔導師団に入ることになったのだ。



