「え、フレッドさま負けたの?」
「うそ! 期待はずれ……」
「えー、まだ二試合目よ? 早くない??」
無様に地べたに這いつくばったフレッドを見てしばし呆然としていたフレッド親衛隊は負けたことに気付くとざわめきだした。
結構辛辣な言葉を投げかけている。あいつら、めちゃくちゃ調子いいな。さっきまで『素適』とか言ってたくせに容赦ない。少しだけこれにはフレッドに同情した。
「俺の勝ちだ。今度から俺らのこと馬鹿にしたり、スザンヌに手出しするなよ?」
俺は握っていた木刀をフレッドに向けた。フレッドは負けたことが納得いかないのか、座り込んだまま素手でその木刀をはたき落とした。
「ふざけるな! こんな奴に俺が負けるわけ無い! 勝負はまだついてない!!」
やっと立ち上がったフレッドは審判係の学生に詰め寄った。
「でも、脇腹に打撃をうけていたよね?」
詰め寄られた審判係の学生はおずおずとフレッドに尋ねた。
脇腹に剣を食らった場合は試合は負けと決まっている。彼が指摘したとおり、俺は確かにフレッドの脇腹に木剣を当てた。周囲からも「脇腹に当たってたよな?」とか「俺も見たぞ」とかフレッドを非難する声が上がる。
「お前、男爵家のくせに俺の言うことが聞けないのか!?」
フレッドが審判係の学生に掴み掛かった時、低い声がした。
「いい加減にしろ、フレッド」
怒り狂うフレッドに低い声でそう語りかけたのはマークだった。フレッドはマークに向き直るとマークの事を射殺しそうな目で睨み上げた。
「平民の癖に俺に偉そうな口をきくな!」
「お前の行動は最近目に余った。俺の言うことも聞かないし、目を覚まさせるにはこれくらいの荒行事が必要だっただろ?」
食って掛かるフレッドにマークは首を少し傾げて見せた。
「なんかフレッドさま格好悪くない?」
「負けた挙げ句に逆ギレ? がっかりー」
「それより、マークさまって格好良くない? 私、マークさまの方が好きかも」
「わかるわかるー。あのクールな感じが素適!」
その深刻そうな二人の横ではフレッド親衛隊の女達がぺちゃくちゃとデカい声で会話をしている。あいつらフレッド親衛隊……で良いんだよな!?
「それに、学園内で爵位を嵩にきるな。俺が爵位を嵩にきてフレッドを馬鹿にしたらどう思う?」
「うそ! 期待はずれ……」
「えー、まだ二試合目よ? 早くない??」
無様に地べたに這いつくばったフレッドを見てしばし呆然としていたフレッド親衛隊は負けたことに気付くとざわめきだした。
結構辛辣な言葉を投げかけている。あいつら、めちゃくちゃ調子いいな。さっきまで『素適』とか言ってたくせに容赦ない。少しだけこれにはフレッドに同情した。
「俺の勝ちだ。今度から俺らのこと馬鹿にしたり、スザンヌに手出しするなよ?」
俺は握っていた木刀をフレッドに向けた。フレッドは負けたことが納得いかないのか、座り込んだまま素手でその木刀をはたき落とした。
「ふざけるな! こんな奴に俺が負けるわけ無い! 勝負はまだついてない!!」
やっと立ち上がったフレッドは審判係の学生に詰め寄った。
「でも、脇腹に打撃をうけていたよね?」
詰め寄られた審判係の学生はおずおずとフレッドに尋ねた。
脇腹に剣を食らった場合は試合は負けと決まっている。彼が指摘したとおり、俺は確かにフレッドの脇腹に木剣を当てた。周囲からも「脇腹に当たってたよな?」とか「俺も見たぞ」とかフレッドを非難する声が上がる。
「お前、男爵家のくせに俺の言うことが聞けないのか!?」
フレッドが審判係の学生に掴み掛かった時、低い声がした。
「いい加減にしろ、フレッド」
怒り狂うフレッドに低い声でそう語りかけたのはマークだった。フレッドはマークに向き直るとマークの事を射殺しそうな目で睨み上げた。
「平民の癖に俺に偉そうな口をきくな!」
「お前の行動は最近目に余った。俺の言うことも聞かないし、目を覚まさせるにはこれくらいの荒行事が必要だっただろ?」
食って掛かるフレッドにマークは首を少し傾げて見せた。
「なんかフレッドさま格好悪くない?」
「負けた挙げ句に逆ギレ? がっかりー」
「それより、マークさまって格好良くない? 私、マークさまの方が好きかも」
「わかるわかるー。あのクールな感じが素適!」
その深刻そうな二人の横ではフレッド親衛隊の女達がぺちゃくちゃとデカい声で会話をしている。あいつらフレッド親衛隊……で良いんだよな!?
「それに、学園内で爵位を嵩にきるな。俺が爵位を嵩にきてフレッドを馬鹿にしたらどう思う?」



