「そして俺は、天使として蘇る。天界の住人となって、アズラーイールの元で、生と死の恐怖に苦しむ人たちの、癒やしとなるんだ」
涼介の目は、真っ直ぐに俺を見つめた。
「だから、獅子丸との契約は出来ない。俺の魂は、俺の死後、天界に行く。そこで俺は、俺の役目を果たしたいんだ。だから、獅子丸と一緒に、地獄へは行けない」
「涼介は、そんなアテにならない約束を信じるのか? 自分の死後の保証なんて、誰に出来る」
「だけどそれは、獅子丸だって同じだろ?」
「俺は嘘はつかない。お前の魂は、地獄で魔界の糧になる。俺と契約を交わせば、悪魔として蘇らせてやってもいい」
「アズラーイールと言ってることは、同じじゃないか」
「復讐をしょう、俺と一緒だ。悔しくはないのか? 自分の運命と、お前を捨てた両親と、今のこの世界を!」
そう言った俺の手から、涼介の手は離れた。
「それを俺は、ようやく乗り越えたんだ。獅子丸、俺のところに来るのが、少し遅かったよ」
涼介は、立ち上がった。
「自分の死が近いのを知って、ますますそう思う。獅子丸、お前が、どうして俺のところへ来たのか、ずっと考えていた。そして気がついたんだ。試されているのは、俺自身だってことに」
聖人としての証が、涼介の胸に輝く。
天使が祝福を与えるのは、気まぐれなんかじゃない。
涼介は聖人として認定されるべき、資質を持っているからだ。
「だから俺は、獅子丸との契約は出来ない。悪魔の誘惑に、負けるわけにはいかないんだ。俺は、俺と同じように苦しむ人たちを救いたい」
「地獄に来れば、俺がいる!」
「獅子丸、俺は、学校に戻るよ。たとえどんなに離ればなれになっても、俺たちはずっと、友達だ」
涼介の背中が、視界の向こうに消える。
あのクソ天使め、涼介をそそのかしているのは、お前たちの方じゃないか!
俺は立ちあがった。
これ以上、あいつらの好きにはさせない。
「獅子丸さま!」
「スヱ、俺は本気で、あいつの魂を手に入れるぞ」
「はい!」
俺は奥歯をぐっと噛みしめた。
涼介の目は、真っ直ぐに俺を見つめた。
「だから、獅子丸との契約は出来ない。俺の魂は、俺の死後、天界に行く。そこで俺は、俺の役目を果たしたいんだ。だから、獅子丸と一緒に、地獄へは行けない」
「涼介は、そんなアテにならない約束を信じるのか? 自分の死後の保証なんて、誰に出来る」
「だけどそれは、獅子丸だって同じだろ?」
「俺は嘘はつかない。お前の魂は、地獄で魔界の糧になる。俺と契約を交わせば、悪魔として蘇らせてやってもいい」
「アズラーイールと言ってることは、同じじゃないか」
「復讐をしょう、俺と一緒だ。悔しくはないのか? 自分の運命と、お前を捨てた両親と、今のこの世界を!」
そう言った俺の手から、涼介の手は離れた。
「それを俺は、ようやく乗り越えたんだ。獅子丸、俺のところに来るのが、少し遅かったよ」
涼介は、立ち上がった。
「自分の死が近いのを知って、ますますそう思う。獅子丸、お前が、どうして俺のところへ来たのか、ずっと考えていた。そして気がついたんだ。試されているのは、俺自身だってことに」
聖人としての証が、涼介の胸に輝く。
天使が祝福を与えるのは、気まぐれなんかじゃない。
涼介は聖人として認定されるべき、資質を持っているからだ。
「だから俺は、獅子丸との契約は出来ない。悪魔の誘惑に、負けるわけにはいかないんだ。俺は、俺と同じように苦しむ人たちを救いたい」
「地獄に来れば、俺がいる!」
「獅子丸、俺は、学校に戻るよ。たとえどんなに離ればなれになっても、俺たちはずっと、友達だ」
涼介の背中が、視界の向こうに消える。
あのクソ天使め、涼介をそそのかしているのは、お前たちの方じゃないか!
俺は立ちあがった。
これ以上、あいつらの好きにはさせない。
「獅子丸さま!」
「スヱ、俺は本気で、あいつの魂を手に入れるぞ」
「はい!」
俺は奥歯をぐっと噛みしめた。