路地裏のレストランバー『執事のシャルール』に、非日常の夜が訪れた。
夕べ、店の近くで男が刺されたという。
警察官が示す二つのキーワードは、薔薇と少年。
常連客のなかにはその条件にマッチする少年も、夕べ薔薇を手にしていた女性もいる。
二人の常連客は事件と関係があるのだろうか。
アルバイトのトオルとバーのマスターの亮一のふたりは、心を揺らしながら店を開ける。
事件の全容が見えた時、日付が変わり、別の秘密が顔を出した。
「マスター宛てに預かっている手紙があるんだ」
トオルが差し出した手紙には、亮一の過去が、封印されていた。