「太ってるって感じじゃないのにね。あれ全部筋肉ってすごい。いいもん見た」
 ふたりは満足そうににこにこしている。なんだろう、男の人にとってアスリートというのは、無条件に憧れる対象なんだろうか。
「おふたりのほうでは、真栄さんにかんする情報、なにか見つかりました?」
「ま、いくつかね」
「その話はホテルに行ってからにしよう。さ、移動するよ!」
 佐行さんがパンと手を叩いた。阿形さんはPCを閉じ、鞄にしまう。私はチームの一員になったような感覚にドキドキしながら、ふたりに続いて部屋を出た。