男子高校生の泥川(どろかわ)潔史(キヨシ)は、他校の女子高生『ハルミ』に振られた翌日、彼女の変死体を発見する。
 以来、ショックで心因性の体調不良に陥り、学校では保健室に入り浸っていた。
 保健室の養護教諭・湯島(ゆしま)(ルイ)は、キヨシの苦悩を重く見て、スクール・カウンセラーに相談する。
 カウンセラーは湯島(ナミダ)と名乗った。湯島……そう、ルイとは実の兄妹である。
 ナミダは告げる――キヨシがハルミに惚れたのは、心理学の『単純接触効果』であり、体調不良は『逃避機制』であると。
 そして、キヨシを振ったハルミは本物ではなく、キヨシに想いを寄せていた別人の変装だと看破する。これは心理学の『ペルソナ・ペインティング』にもとづく成りすましだった。キヨシが失恋すれば、自分に振り向いてくれると思ったのだ。
 ハルミを殺したのも、その別人。事件は解決し、キヨシの悩みも解消された。