「雪香が今大変なのは分かってるだろ? そんなときにお前に冷たく拒絶されて参ってる。沙雪の気持ちも分かるけど少しは歩み寄ってやれよ……少なくとも遊んでる場合じゃ無いだろ?!」
私は思わず笑いそうになってしまった。
こんな発言をする蓮のどこが、私の気持ちを分かっているのだろう。
こみ上げていた怒りが、一気に冷めていくのを感じた。
「私の気持ちなんて、少しも分かって無いと思うけど? 私は雪香と関わり合いたく無いの。蓮は何の権利が有って私に嫌なことを強要しようとするわけ?」
冷たく言うと、蓮は一瞬黙り込んだ。
「……雪香との話し合いは沙雪の為にもなると思った。お前たちは双子なんだしこのままわだかまりを持ったまま別れていいはずが無いだろ? 今は怒っていても話を聞けば少しは雪香を理解出来るはずだ」
その言葉は私の神経を逆撫でした。
「私の為? 違うでしょ、全部雪香の為じゃない!」
口で何と言おうと蓮の行動は全て雪香の為。分かりきってる事実なのに、綺麗事を並べる蓮が憎かった。
「本当に私の為って言うなら、二度と雪香に近付かない様に言ってよ!」
「……どうしても許せないのか?」
苦しそうな顔をする蓮に、私は取り付く島もなく答えた。
「許せないと言うより、本当に関わりたく無い。忘れて新しい生活を始めるから放っておいて欲しい」
「新しい生活?」
「そう、仕事も変えてアパートも変える」
蓮の眉がぴくりと上がる。
「引っ越すのか? どこにだ?」
「捜しているところだけど、決まっても言う気は無いから」
「は? なんでだよ!」
蓮は怒りの籠もった目で私を見た。
「言ったら雪香を連れて来るでしょ? そうなったら新しい生活の意味が無い」
「……そうやって何もかも切り捨てる気か? 雪香の次は俺か」
蓮の顔に、怒りと軽蔑が浮かぶ。
「違う、蓮が私を切り捨てたんだよ」
胸の痛みを覚えなが答えると、蓮は驚き目を見開いた。
「蓮には感謝してる。海藤から助けてくれたし、一時期は一緒に居て話も聞いてくれて嬉しかった」
「沙雪?」
淡々と話し始めた私に、蓮が困惑する。構わず私は言葉を続けた。
「でも……結局蓮は私の話なんて聞いてなかったんだって分かった」
「は? 何言ってるんだ?」
私は思わず笑いそうになってしまった。
こんな発言をする蓮のどこが、私の気持ちを分かっているのだろう。
こみ上げていた怒りが、一気に冷めていくのを感じた。
「私の気持ちなんて、少しも分かって無いと思うけど? 私は雪香と関わり合いたく無いの。蓮は何の権利が有って私に嫌なことを強要しようとするわけ?」
冷たく言うと、蓮は一瞬黙り込んだ。
「……雪香との話し合いは沙雪の為にもなると思った。お前たちは双子なんだしこのままわだかまりを持ったまま別れていいはずが無いだろ? 今は怒っていても話を聞けば少しは雪香を理解出来るはずだ」
その言葉は私の神経を逆撫でした。
「私の為? 違うでしょ、全部雪香の為じゃない!」
口で何と言おうと蓮の行動は全て雪香の為。分かりきってる事実なのに、綺麗事を並べる蓮が憎かった。
「本当に私の為って言うなら、二度と雪香に近付かない様に言ってよ!」
「……どうしても許せないのか?」
苦しそうな顔をする蓮に、私は取り付く島もなく答えた。
「許せないと言うより、本当に関わりたく無い。忘れて新しい生活を始めるから放っておいて欲しい」
「新しい生活?」
「そう、仕事も変えてアパートも変える」
蓮の眉がぴくりと上がる。
「引っ越すのか? どこにだ?」
「捜しているところだけど、決まっても言う気は無いから」
「は? なんでだよ!」
蓮は怒りの籠もった目で私を見た。
「言ったら雪香を連れて来るでしょ? そうなったら新しい生活の意味が無い」
「……そうやって何もかも切り捨てる気か? 雪香の次は俺か」
蓮の顔に、怒りと軽蔑が浮かぶ。
「違う、蓮が私を切り捨てたんだよ」
胸の痛みを覚えなが答えると、蓮は驚き目を見開いた。
「蓮には感謝してる。海藤から助けてくれたし、一時期は一緒に居て話も聞いてくれて嬉しかった」
「沙雪?」
淡々と話し始めた私に、蓮が困惑する。構わず私は言葉を続けた。
「でも……結局蓮は私の話なんて聞いてなかったんだって分かった」
「は? 何言ってるんだ?」