初めて会ったのは、女神のような彼女の腕の中だった。
 君はその中で、賢明に産声を上げていた。
 その姿があまりにも神々しかったので、僕は彼女と君の額に――キスをした。


 次に会ったのは、子守歌を歌う彼女の腕の中だった。
 君はその中で、すやすやと眠っていた。
 その姿があまりにも愛らしかったので、僕は彼女と君の髪に――キスをした。


 その次に会ったのは、微笑みを浮かべる彼女の腕の中だった。
 君はその中で、じっと彼女を見つめていた。
 その姿があまりにも美しかったので、僕は彼女と君の頬に――キスをした。


 それからも会うごとに愛しさが募り、僕は彼女と君に――キスし続けた。
 ようやく明日、我が家に戻る君たちに、僕は改めて誓う。
 永遠に愛し、守り続けることを。
 夢の中まで幸せでいられるように、君たちの獏であり続けることを。
 だから、知っていて欲しい。僕の幸せは君たちと共にあるということを。
 愛しい家族と共に……。



(了)