ミユさんは私と真斗さんを不思議そうに見比べる。
「ちょっと店の備品を買い出しに来たついでに、休憩です。ここ、いいですか?」
にこりと笑った真斗さんがミユさんの隣の席を指さすと、ミユさんは「どうぞ」と笑顔で鞄を少し自分の方へと引き寄せた。
ええ! まさかの隣ですか!? と動揺する私に対し、真斗さんは涼しい顔をしてその席に座った。
トレーを置いた机の上にすぐさま白い文鳥──付喪神が飛んできて、「ピピッ、ピ」と鳴き始める。絶対に聞こえているはずなのに、真斗さんは顔色ひとつ変えずにカプチーノを口へ運んだ。
まあ、ここで反応したら完全におかしな人なんだけど。
「なんの買い出しなの?」
「文房具とか、色々です。四元さんは?」
「私はちょっと人と待ち合わせなんだけど、まだ来ないの」
ミユさんはスマホを確認するように画面を弄ったが、連絡は何も来ていなかったようですぐに画面を下にしてそれをテーブルの上に置いた。
そのとき、鞄が小さく振動していることに気付き、私は自分の鞄の中を覗く。緑色の着信ランプが光っており、画面には『亜美ちゃん』と表示されていた。
「ごめんなさい、ちょっと友達から電話がきたから話してきます」
「ああ、わかった」
私は軽く二人に手を振ると、足早に店の外へと向かった。
「ちょっと店の備品を買い出しに来たついでに、休憩です。ここ、いいですか?」
にこりと笑った真斗さんがミユさんの隣の席を指さすと、ミユさんは「どうぞ」と笑顔で鞄を少し自分の方へと引き寄せた。
ええ! まさかの隣ですか!? と動揺する私に対し、真斗さんは涼しい顔をしてその席に座った。
トレーを置いた机の上にすぐさま白い文鳥──付喪神が飛んできて、「ピピッ、ピ」と鳴き始める。絶対に聞こえているはずなのに、真斗さんは顔色ひとつ変えずにカプチーノを口へ運んだ。
まあ、ここで反応したら完全におかしな人なんだけど。
「なんの買い出しなの?」
「文房具とか、色々です。四元さんは?」
「私はちょっと人と待ち合わせなんだけど、まだ来ないの」
ミユさんはスマホを確認するように画面を弄ったが、連絡は何も来ていなかったようですぐに画面を下にしてそれをテーブルの上に置いた。
そのとき、鞄が小さく振動していることに気付き、私は自分の鞄の中を覗く。緑色の着信ランプが光っており、画面には『亜美ちゃん』と表示されていた。
「ごめんなさい、ちょっと友達から電話がきたから話してきます」
「ああ、わかった」
私は軽く二人に手を振ると、足早に店の外へと向かった。