もしくは、高校生のときにお弁当を食べきれずに怒られるのが嫌で、こっそりと部屋のごみ箱に捨てて、家族大騒ぎの異臭騒ぎを起こしたこと?
 まさか、自作小説の登場人物の気持ちになりきるために怪しいコスチュームを自作して、更には部屋ではその口調を真似るという重度の中二病に罹患していたことは言ってないよね!?

 これまでの黒歴史が脳内を駆け巡り、サーっと青ざめる私を見つめ、真斗さんがふっと意味ありげに笑う。

「俺、根津にある『根津のたいやき』のたい焼きが大好きなんだよねー」
 
 も、もしやそれは口止め料ですか?

「…………。い、いやー!」

 澄ました顔して麦茶を飲む真斗さんの横で、私は頭を抱えて絶叫したのだった。