【あらすじ】

 
『恋』と『職』に加えて、『住処』までもを
同時に失った丹沢 花(たんざわはな)は、真冬の熱海サンビーチで途方に暮れていた。
そんなときに突然、二本足で歩くたぬきに声を掛けられ、逃げる最中で思いもよらない場所に迷い込むこととなる。

──そこは、現世と常世の狭間にある温泉宿。
ひょんなことから日常に疲れた付喪神たちが集まるお宿で仲居をすることになった花は、何故か若旦那の嫁候補まで務めるはめになって……。

容姿は極上だが、いけ好かない若旦那である八雲(やくも)
モフモフな信楽焼たぬきの付喪神、ぽん太。
ライバルはパソコン!?宿帳の付喪神、黒桜(くろう)
人嫌いで見た目は子供の料理長・包丁の付喪神の、ちょう助。

個性豊かな付喪神たちや神様に出会うことで、花は素直になれなかった自分自身と向き合えるようになる。

じんわり、ほっこり。日本有数の温泉地【熱海】で、個性豊かな付喪神様たちと一緒に心温まるひとときを過ごす物語。