軽トラックを運転する、一人の青二才。
荷台に載せた産物のほとんどが人から譲り受けたものであり、中にはお人好しの「弁護士」からどうしようもない「友人」への贈り物と言うものもあった。
フリーターの先輩と
弁護士の先輩を、知り合いに持っている。
まるでジャンルも、生き方も違う二人が高校時代から今なお関係を続かせ
まずなぜ結び付いて離れないのか、人間の縁ほど不思議なものはない。
似た者同士は喧嘩するとかいうし、フィーリングという言葉も世の中にはある。
周波数、電磁波、何が二人を結びつけたんだろうか、なんて余所見をしながら考えていたら
ドゴ、と鈍い音を立てて。
車体を、空き地の木柵に、
思いっきり突っ込ませてしまった。
「………やべー。とちった〜」
彼の名を曰比谷。
社会人二年目の24歳であるが、
「おし、エスケープしよっと」
社会人としての自覚は、今なお養われていない。