なんで、こんな優しいおばあちゃんを嫌うんだろうか。分からない。
だけど、母さんはおばあちゃんを嫌い理由は、私には分からないことなんだろう。
私には分からないけど、母さんにとって心苦しいのだ。
「じゃあ、和歌ちゃんはここの部屋。この三日間、ゆっくりしていてね」
おばあちゃんは、ニコッと笑顔で私に言う。
私はそんなおばあちゃんを見て、思った。
「…ねぇ、おばあちゃん」
「なんだい」
「なんで母さんはおばあちゃんと仲悪いの」
私はおばあちゃんに一番聞きたかったことを口にしている。
去年は、聞けなかった。おばあちゃんが母さんにとって、何者なのかは分からなかった。
だけど、今なら分かる。
おばあちゃんは、ただ母さんと話したいだけ。
昔のことを話して、母さんと分かり合いたいのだ。
「……この話は長くなるんだけどね」
おばあちゃんはそう言って、目を細めて下を俯いていた。
まだ、話せないのかもしれない。母さんとおばあちゃんは、仲がまだ良くはないから。
「…そうなんだ。わかった。おばあちゃんが話したくなったら、言って」
おばあちゃんは私の言葉にホッとしたのか、真面目な表情からいつもの優しいおばあちゃんの顔だった。
「…ありがとうね。和歌ちゃん今日は思い存分楽しんでね。まだ、夕飯まで時間あるから歩いてきてもいいからね」
おばあちゃんはニコッと笑い、私に言った。