「ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは、こんな重い神話で言い伝えられているけど、自分の大切な体が二つに切られて、もう繋がることが出来ないって切ないよな……」


先生はまた空を見上げ、ため息交じりにそう言った。


「うん、そうだよね……」


神様しか飲んではいけない飲み物を飲んでしまったっていっても、体を切られてしまうなんて……。


「太陽と月を恨んで回り続けているって話だけど、本当は頭と尻尾と一緒になりたくて、お互いを追いかけているのかなって思ったりもするんだ」

「一緒になりたくて、お互いを追いかける……」

「うん、でも、走っても走っても届かない。追いかけても追いかけても、捕まえられない」

「……」

「求めているのに届かない、永遠にお互いを求めて宇宙を回り続ける運命」

「……」

なんだかわからない、この切ない感じ……。

先生の話に胸がギュッとつかまれ、痛んだ気がした。