「前にも話しただろ。共感は出来ない、でも理解しようと思えない奴は放っておけばいい」
「……ん……」
先生……。
「……今、美月にとって"生きにくい"世界かもしれない。でも、本当の君は周りにたくさんの友達が居て、いつも笑っていた」
「え……」
先生、どうして……。
「人の顔が認識できても、コミュニケーションを取ることが出来ない不器用な人間はたくさんいる。それも……とても"生きにくい"ものなんだよ」
「先生……」
「人はみんな苦手なことや、苦しいことを抱えて生きていると思う」
「うん……」
「罪悪感なんて持たなくていい。君の強い部分をもっと見せて欲しいよ」
私の強い部分……。
「うん……」
私は何度も何度もうなずいた。
先生の言葉は、私の心の中にすんなり入ってきて……とてつもない大きな幸せに包まれるような……そんな感じがした。