たくさんの人が行き来する姿を目をこらし見つめた。

服装や体格、髪型、持ち物、足音……葉山先生と分かるすべての情報を頭の中で何度も思い返す。


どうしても……どうしても、葉山先生に会いたかった……。

たくさんの人の中から先生を見つけ出すことは、私には難題で……。

それでも、先生を見つけ出すことに頭はいっぱいになっていた。


一時間が過ぎ、二時間が過ぎ……。

星北高の生徒たちに何度も声をかけられ、その恐怖の中、私はずっと先生の姿を探し続けた。



「はぁ……」私はさすがに疲れ、ベンチに座り、ため息をついた。

日も暮れ、外も暗くなり始めると、パチパチと音をたてて、ホームの灯りがつき始めた。

もう帰っちゃったのかな……。

もしかしたら気づかず、先生とすれ違ってしまったのかもしれない……。

学生の姿が少なくなると、驚くほど静かになってしまった駅。

それが余計に淋しさを募らせた。



先生に会いたかった……。

どうしても先生と話がしたかった……。

このまま家に帰りたくないという思いと、明日また今と同じ思いのまま、同じ朝を迎えるのかと思うと、このどうしようもない絶望感に涙が溢れた。