「美月ー! おはよー」

そう声が聞こえると、うつむいていた私の肩をポンと叩く。

一瞬、叩かれた肩をビクッとさせ振り向くと、

「あ、エー子おはよ」

同級生のエー子が立っていた。


「ごめん、ごめん! ちょっと遅くなっちゃった」

両手を合わせ、何度も頭を下げた。

「ぜんぜんー。まぁ、いつものことじゃん」

私はそう言いながら、うししと笑った。


「そうだけどさー。もう、昨日帰りが遅くなっちゃって、とにかく今もまだ眠くって~」

エー子は大きくあくびをした。