金田先生か……。
嫌だなぁ……と思う気持ちが8割を超えている。
私は大きくため息をつき、渋々職員室へ向かった。
小さくノックを3回し、さらに小さく「失礼しまーす」と声をかけ、そっと職員室に入る。
前回のことがあるから確実に金田先生を見つけようと、職員室内をキョロキョロ見回す。
見ると少ない先生の数にホッとする。
金田先生のデスクの場所は覚えているが、そこに先生の姿はない。
「……」
困った……。
その時、ポンと肩を叩かれ、緊張が走った。
「あっ、あの! 金田先生いらっしゃいますか!?」
私はビックリし、とっさにそう言った。
「羽田」
「!?」
その声に顔を上げた。
金田先生!?
「羽田またか!? いい加減覚えてくれないと困るな」
「あっ……いえ、あの……」
金田先生の、少し荒げる声が静かな職員室に響いた。