「この電車、よく揺れるな」
先生はボソッと言った。
「……うん」
障害がわかって、色々なことがあって、男の人を信じることが出来なくなって……男の人に触れられることが怖いと感じるようになっていた。
それが先生なら大丈夫だという気持ち。
先生に触れられることが嬉しくて、ドキドキと胸が音をたてる。
各駅なんかじゃなく、この線路がもっともっと長く、先生とのこの時間がもっと続けばいいのにって思った。
電車の中から見上げた星空は流れる街の明かりに埋もれ、夜空の星もあまり見えなくなってしまった。
そんな空を見上げ、いろんな思いを巡らせる。
先生といると心から落ち着ける気がして。
先生への想いがどんどん大きくなる自分がいた。