ガタン!

「キャッ」

電車が大きく揺れ、またビリッという静電気のような痛みが走った。

電車の座席のパイプを握った手、電車が大きく揺れた瞬間、先生の手が私の手に触れた。

いつものビリッとした痛みに、触れていた手を離した。


「……」

「……」


そしてまた、先生はパイプを握り直した。


「……」

重なった小指と小指。


先生……。


そっと触れ合う小指の先。

なんて言ったらいいのか分からない、この感覚……。


なにか……体の中から温かくなっていくような――――。