軽くノックをし職員室に入ると、休み時間だけあって先生もみんな職員室に戻って来ていた。
「……」
こうなってしまうと、どこにどの先生がいるのか、まったく分からない。
学年ごとに並んでいるデスクが唯一の手掛かりだ。
「しつれいしまーす」
私は小さな声で挨拶すると、そっと職員室の奥に進んだ。
金田先生を探そうとキョロキョロ見回すが、ぜんぜん分からない。
男の先生で……確か細身だった気がする……。
眼鏡はかけていなかった。
せめて眼鏡をかけてくれていたら、それだけで大きな手掛かりになるのに……。
金田先生を探すために私は頭をフル回転させた。