「羽田ー!」

突然、名前を呼ばれ振り向くと、教室の後ろのドアから顔を覗かせた男子が私を呼んでいた。

「クラス委員の持田」

誰だか一瞬じゃ分からない私に、フォローするようにエー子が教えてくれた。


「金田先生が職員室に来てくれって言ってたぞ」

「えー!? わかった。ありがとー」

金田先生か……。

「金田先生って、この間赴任して来た三年の副主任じゃん。また課題かなんかの手伝いー?」

「うーん、そうかもー」

金田先生……イマイチどんな先生か覚えられてないんだよなぁ……。


「ちょっと行ってくるね」

エー子に手を振ると、私は教室を出た。


うちの学校は必ず部活に入らなければいけないという校則がある。

私は障害のこともあり免除されているけど、そのかわり学年の行事のことで用を頼まれることも多くあったりする。