「なんだか嬉しそうな顔しちゃって。いいことあったのかなぁって」
「……うん、まぁね」
「えっウソ! 葉山先生と何かあった?」
「何もないけどー。ちょっと話せるようになったかな。それに……」
「それに!?」
エー子は待ちきれないと言った感じで身を乗り出す。
「……先生に障害のことを話したんだ」
「えっ……大丈夫だったの?」
幼馴染のアイツのせいで男の人を信じられなくなって、誰かに障害のことを話すことも出来なくなっていた……。
それを知っているエー子だから、こんなに驚くのも無理はない。
「それが大丈夫だったんだ」
「ほぅ……」と聞こえるくらい、エー子がホッとしたのがわかった。
「よかったよ。正直、葉山先生と話したこともほとんどないし、どんな人かも分からなかったし」
「うん。でも、他校とはいえ先生だから、だから話を聞いてくれただけかもしれないし」
「えー、ウソーん」
エー子はガッカリとした弱々しい声を出す。
だってさ、お互いどんな人かなんて、すぐにはわかんないよ。
人はみんな……外見で判断するもん……。