瀬戸駅の改札の前、大急ぎで駅の中へ駈け込んで行く人々。
改札の前には駅に隣接されたコンビニに出入りする人の多さ。
レジを待つ人々が、何列にも並んでいるのが見える。
慌ただしい人々のざわめき音が耳の奥で大きく響き、私は壁にへばりつくようにして、うつむいた。
余裕の無さを感じる毎朝の雑踏、私は今朝も見た同じ夢を、B6ほどの小さなノートに書き留めていた。
このノートも何冊目になるのか……。
パラパラとめくったノートには、毎日見る同じ夢の内容が書かれている。
こう見ると、本当に同じ夢を見ているようで、私の感じる気持ちまでがまったく同じように書かれていた。
夢の中の人物は姿はないが確実に自分で、ある時は高い塔、ある時は高い山。
そこから落ちる恐怖が手に取るように思い出させる。
この夢はいったい何なのか……。
それをいつも書きながら考えるこの時間は、ギリギリに起きて電車に飛び乗る、そんな以前の私とは変わっていた。
早く起きて、早くに駅に着き、見た夢に想いをはせる――――。