『ごめん……やっぱりムリだわ』
そう言ったのは、幼稚園の時からずっと仲の良かった幼馴染のアイツ。
もう、名前すら口にしたくもない。
とにかく仲良くて、エー子と同じくらい信頼できる男友達だと思っていた。
それが中学卒業後、いきなり告白してきた。
友達だと思ってたんだもん、戸惑ったのはこっち。
『美月と高校が違っても、いろんな所で美月が可愛いってウワサを聞くことが多くてさ、俺心配になっちゃって……』
そんな告白をしてきても、私が障害を負って、人の顔が分からないって……アイツの顔も分からないんだって、そう話したら、結局……。
『やっぱりムリだわ。俺にはそういうの抱えきれない』
だって。
何が!?
私が何をあんたに抱えてほしいって言った!?
『そういうの』って何!?
障がい者だから無理ってハッキリ言えばいいじゃない!
友達だと思ってたのに……。
勝手に告白してきて、勝手にフッて……何それ。
男って勝手すぎて、嫌になった……。