みんな私のことを『美人』とか『かわいい』とか、だからヤキモチなんて感じたことはないんだろうって言う。
確かにヤキモチって感情は今までなかったかもしれない。
でもそれは、好きな男の人っていなかったから……。
仲良くなる男子はみんな、いつの間にか友達だった。
だから意味もなく、理由もなく、気になる人が出来たことに自分自身が戸惑っているんだから……。
「……葉山先生、大人の男性だし、知らないことも多いし、彼女だっているかもしれないし……」
「美月ー、なにその弱気ー」
「私なんか子供だって思われてるかもしれないし……」
「もー、もっと自信持ってよ。美月あんた本当に美人なんだから!」
「……ありがとう」
エー子の嬉しい言葉に、私は「フフ」っと笑う。
「……自信か……」
嬉しいという気持ちとはうらはらに、大きなため息が漏れた。