「もー! なにあれ! 『圭ちゃん圭ちゃん』って! 何者よ、あの子は!」

私の気持ちを察するように、エー子が興奮気味にしゃべり出した。


「……」

「美月、気にならないの!?」

「知り合い……なのかも、ね」

「もー美月は~」

気の無い返事をする私に、エー子はため息をついた。


「葉山先生と同じ学校の生徒だからって『圭ちゃん』なんて、なれなれしくし過ぎでしょー!」

「……」

「美月はさー、今までヤキモチなんて焼いたことなかっただろうからさ。なんとも思わないかもしれないけど」

「……ヤキモチ……」

このモヤモヤした気持ちの悪い感じのことだろうか……。


「美月が誰かのこと『気になる』なんてアタシに言ってきた時、すごく嬉しかったんだから……」

「……エー子……」


エー子のそう言ってくれる気持ちは、ありがたいよ……。

でも、なんていうか……この今の自分の気持ちをどう表現したらいいのか……。