冬の夜空は空気も澄んで、星たちがキレイによく見えると圭先生は教えてくれた。
先生の部屋の天窓から見える星空が私は好きで、いつも見上げていた。
午後に降った雪のせいか、窓も曇り見上げた天窓も真っ白だった。
私はそっとベランダへ出た。
広くはないベランダでも、星を見上げる分には十分なほどの広さはあって、眺めは最高だった。
外に出ると思った以上に寒く、吐く息が真っ白く見えた。
「!」
気付くと、先生が大きめのブランケットをそっと私にかけてくれた。
「ありがと」
「どうしたの? 突然外に出て寒くない?」
先生はそう言うと「はぁー」と大きく息を吐き、空に消える白い息を見せた。
「寒いけど、星が見たくなって」
「そっか」