私はノートをみつめた。
「今まであったことを忘れないように、書き留めておこうと思って」
「美月らしいね」
「そう?」
「うん、前からノートいっぱいに何か書いてたじゃない」
「ああ、そうだねー」
今まで書いていた夢ノート。
そもそもはそれがヒントだった。
「葉山先生は、元気?」
「うん。幼稚園の雑用やらされてるけど、そのうち教師復帰するみたい」
「えーそうなんだ。よかったね」
「うん、やっぱり好きな星のことを誰かに伝えていきたいって言ってる」
「そっか」
エー子は私を見つめ、微笑んだ。
「幸せそうで良かった」
「え?」
「色々あったから」
「……うん」