「美月それ何? 何書いてたの?」
「これ?」
エー子が指さしたノートを私は見せた。
「『神様に願う時、幾憶もの星を見上げて』……?」
「うん、星の物語を書いてるんだ」
「へえ、すごい! 挿絵付きじゃん」
「うん」
色々あったこの数か月。
あれから私に起こる試練や困難みたいなものは無くなって、学校を辞めたせいもあるけど「羽田 美月」と指さされたり、声をかけられたりもなくなって、変な男に狙われることもなくなった。
あの時の男……星北高のあの男の子は、ただ単に私に興味があっただけで、私が「誰?」と、わざと無視をするような態度に腹が立っていたということだった。
そんなこと言われてもなぁ……本当に誰かわからなかったんだもん、仕方ないじゃん……。