「今度、圭先生とチアの大会見に行くね。実はチケットも取ったんだ」

「えー! ホント!? うれしいー!」


エー子は前のめりになるくらい、喜んでくれた。

変わらない笑顔と、元気の良さと、それはやっぱりチアにピッタリだと思った。

そして、ぐっと大人っぽくキレイになった。

エー子も恋をしているからかなって、思ったりする。


「美月がチアを見に来てくれるなんて……やっとかぁ……」

「うん……ごめんね……」

「ううん、見に行こうって思えるようになって、よかったなぁと思って。きっと高校のチア部のみんなも喜ぶよ」

「うん、ありがとう」


チアリーディングを見に行くのも何年ぶりだろう……ここまでくるのに、ずいぶんの時間がかかった……。

当時の絶望感は忘れてはいないけど、今やっと動き出せた気がする。