激しい痛みで目が覚めた。


目覚めるとそこは、以前の記憶にもある真っ白な世界で。


「美月!? 美月!?」

激痛でうなり、目を細める私の前に顔を覗かせた女性。


「……お母さん……?」


「美月ーー!」

私の名前を叫び、大泣きするその姿を見て我に返る。

また泣いてる……ふとそう思った。


周りを見回すと、白い天井に大きな窓、白いカーテン。

あぁ、ここはまた病院だ……と気付いた。

体中の痛みはあるけど、思いのほか体は動く。

私は上半身を起こした。


「痛っ……」

「美月! まだ起きちゃダメよ!」


力を入れると再び激しい痛みに襲われ、見ると左足にギプスがはめられ、動けなくなっていた。


「……」

それを見て言葉を失う。

なにが……どうしたんだろう……。



「美月! 大丈夫か!?」

「……お父さん……」

大泣きして、なんにも出来ないお母さんの代わりに、お父さんが声をかけてきた。

「美月、よかった! 目が覚めて……」

「……」


目が覚めて……。


「美月、覚えているかい? 線路に落ちたんだよ……」

「あ……男の人が……声をかけてきて……」


私を助けようとした先生を突き飛ばして……それを私が止めようとして……それから……。