「あれー? 葉山先生じゃん!」

「先生、こんなところで何してんの?」


葉山先生を呼ぶ大きな声の方を見ると、私たちと同い年くらいの男子が三人こちらに向かって歩いて来た。

濃紺のパンツに半袖の袖口に一本の紺のライン。

その制服を見て葉山先生の学校、星北高の生徒だと分かった。

うちの学校、中央学園はグレーの制服だから違いがすぐに分かって助かる。


「えっ!? 羽田美月!?」

一人の男子が私を見て声を上げた。

それにビックリして、私は後ずさりすると再びエー子の後ろへ隠れた。


「マジ!? 中央学園の!?」

「先生なんで一緒にいんの!? 知り合い!?」

「すげー、こんな近くで初めて見た」

大騒ぎする男子に先生は驚いている様子だった。

三人とも同じような背丈で、体つきも髪型もよく似ている。

もう、こんなんじゃ区別なんかつかない……。

みんな個性がなくて、同じに見えてしまう。