『美月の両親はなんて?』
「うん、先生のことは認めてくれたというか、渋々納得って感じかな……。でもお母さんは、私がまだ何も出来ない子供だと思っていて、人を好きになるなんて思ってなかったみたいで。あれからずっと謝り続けてる」
『そっか。でも、いいお母さんじゃん』
「うん……」
もちろん、自分たちと先生のお母さんの間にあったこととか、昔のことを忘れたわけじゃないんだろうけど、私の先生に対する気持ちを、私自身の考え方を信じると言ってくれた。
エー子との電話を切ると私はベランダに出た。
夕日が沈み、青白い空に星が見え始めた。
「あ、オリオン座!」
縦に三つ並んだ星を見て、それがすぐオリオン座だとわかった。
さすがに素人の私でもオリオン座くらいわかるな。