数日後の放課後、何度も届くメールやLINEと電話の着信、何事かと驚いていた。

帰りのホームルームが終わり、すぐに電話をかけてきたんだろうと思われるエー子からの幾度もの着信に、折り返しを入れた。


「どうしたのエー子?」

『どうしたのじゃないよー! 学校中大変なことになってるんだから!』

「何が?」

『もう、のんきなこと言わないでよ! 美月が学校辞めるって美月の担任が生徒に話したらしくって、今、学校中大騒ぎ!それも理由は"相貌失認"って障害を抱えての学校生活が難しいと感じたからって』

「だからクラスのみんなや、チア部の子からもLINEやメールがきてたんだー」

『もうもう! なんでそんな、のんきなこと言えるわけ!? 葉山先生のことで大変なことになってるって話は聞いていたけど、学校を辞めるなんて一言も聞いてないよ』

「うん……それは、ごめん……」


電話口のエー子は、いつも以上に早口でパニックになっている様子だった。

学校側はそういう説明をしたんだ……。

結局は教師の不祥事って話にはしたくなかったんだろう……。

でもまぁ、私が『相貌失認』って障害を持っていて、生活がしずらかったってこと、みんなに分かってもらえたらいいな……。