「羽田くん、君はどうなんだ」
校長先生の言葉に、みんなの視線が一斉に私に集まった。
「……」
「羽田くん!」
私を責め立てるような荒々しい言葉に、聞いていたお母さが取り乱すように「わあ」と泣き出した。
「……なんでこんなことになっているのか、意味がわからない……」
私の言葉に、みんながざわついた。
「誰かを大切だと、好きな人だと思うことが、どうしていけないのか、意味が分からないんです」
「君まで何を言っているんだ!?」
「だって! みんな大切だと思う人はいるでしょう!? 自分の子供だって、奥さんや旦那さんだって、好きだから結婚したんでしょう!?」
「羽田くん、君は何を話しているんだ……今はそんなことを聞いているんじゃないんだよ」
『くだらない』とでも言いたいように、PTAの人たちはため息を漏らし始めた。