汚い……大人って汚い……。

こんなことが広まりでもしたら大変なんて……そんなのそっちの都合じゃない!



後日、圭先生や私の両親含めての話し合いの場がもたれるという。

話し合うって何を!?

もう会いませんって、その場で誓えっていうの!?




「さっき、葉山先生から電話があったんだよ」

校長室を出ると、職員室へ戻る途中、担任が話し出した。


「圭先生から?」

「ああ、『ご迷惑をおかけしてすみません』って」

ご迷惑……その言葉に胸が痛くなった。


「葉山先生も同じことを聞かれたんだろう。『大人として無責任でした』と答えたそうだよ。だけど羽田と同じように、本当のことを答えなければ、羽田が学校を退学になると言われたんだろう」

「そんなのズルい!」


どうして本当のことを何も知らずに……まるで何もないことをあったかのように言わせて……。


「羽田……」


私はボロボロと涙を落した。


悔しくて……。


悔しくて……。