「今朝一番で電話があってね、羽田 美月さんが星北高の教師である、葉山 圭先生と何か関係を持っているんではないかというお話だったの」
PTAの役員だという女性の言葉に耳を疑った。
「なんで、そんな……」
「羽田さんはどうなの? 葉山先生のことは知っているの?」
「……はい」
「お付き合いなんて、ないんでしょ?」
「そんな……」
「そんなふしだらな関係ではないのかと聞いているんだよ!」
言葉を選ばない、その男性の強い言葉に私は何も言えずうつむいた。
「学校が違えど教師と生徒なんだ! こんなことが広まりでもしたら大変なことなんだぞ!?」
「!」
大変なこと!?
「葉山先生とお付き合いしているの?」
女の人の声が大きくなった。
「……いえ、していません」
「ウソをついても分かるんだぞ! もうすでに葉山先生のところには聞き取りに行ってるんだ!」
「え……」
圭先生のところにも……。
「先生はなんて……」
「羽田……」
隣に立っていた担任がポンと私の肩を叩いた。
「本当のことを話しなさい」
「え……」
本当のことを話せ!?
大変なことになる!?
「……」
私は大人の言葉に呆然とした。
この人たちは何が言いたいの!?