『足は大丈夫?』

『うん、まだちょっと痛いけど、もう大丈夫。ありがとう』


たった一日のことなのに色々あり過ぎた昨日が、なんだかずっと前のように思えるほど今日は普通の朝で……。

あ……。

見ると座席を挟んだ隣のドアに、圭先生が立っていた。

いつもの先生の場所。

もとの日常に戻ったような感じで、嬉しくなった。

本当は近くに行きたいけれど……いつもより混み合っている車内を動ける度胸はない。