ずっと連絡が出来なかったのは、学校の生徒にかかりっきりだったと話してくれた。
不登校や、悪い仲間とつるんだり……担任として、朝から晩まで手を焼いていたということだった。
それは……香代ちゃんのことらしい。
この間、唯ちゃんも同じようなこと話していたし、相当、香代ちゃんのことが大変だったということがわかった。
幼馴染でもあるけれど、学校の担任と生徒、しっかりと線を引いた対応をと考えていた。
ハッキリとさせなければ、美月にも会えない、そう思ったという。
先生の言葉から、先生は香代ちゃんの気持ちをずっと知っていたんだろうということがわかった。
家までの道を、ゆっくり、ゆっくり歩く。
くじいた足が痛くて……また汚れてしまった浴衣、泥だらけの足を見つめた。
「……」
人を好きになるって難しい……。
先生の本心を知らずに、理由も分からずに、ただ不安になって心が乱れて……。
もっと強い心で先生を信じていたら、こんなことにはならなかったかもしれないのに……。
自分の心の弱さが、憎らしかった。