ドォン!!


花火の明かりで顔が照らされた。


「……先……生」


目の前に、圭先生がいた。



「先……っ……」


言葉と息がうまく出てこない……心ばかりが焦って……。


私は先生に抱きついた。


「━━━━っ……」



先生!



先生!



「……大丈夫……もう、大丈夫だから」


そう言いながら、先生は私を強く抱きしめた。



「……はぁ……はぁ……」

苦しい……胸が苦しい……。


いつの間にか涙がボロボロと音を立てるように落ちた。


「美月……」


何も言葉にならないくらい頭の中がパニックで、カタカタと震えが走るのがわかった。


「美月、大丈夫だよ……」


先生の手がそっと私の頬に触れ、溢れる涙を拭う。

それでも追いつかないくらい、涙は溢れて……。


幾度も上がる花火の音だけが私の耳に響く……。


先生は私が落ち着くように、いつまでも抱きしめてくれていた。



遠く……



遠く━━━━。