「あれ? 羽田 美月!?
「ホントだー! 本物ー!? あ、中央学園の制服着てるじゃん」
突然、大学生風の恰好をした男の人に声をかけられた。
「やっぱりウワサ通り可愛いなぁ」
「ねー、一人なら一緒にご飯でも行かない? おごるからさー」
「……」
私はおもむろに、その二人から離れた。
「ちょっと、ちょっとー」
それでも私の後をついてくる。
「逃げなくてもいいじゃんよー」
肩に乗せられた手を、私は思い切り振り払った。
「やめてよ!」
入ってきたばかりの各駅止まりの電車、ドアが閉まる寸前に私は飛び乗った。