「それには何が必要なんだろう……。何か、自分に足りない何か……。ずっと前から探している何かがあると思うんだ」
「ずっと探している何か……か。でもそれが、今まで知らなかった恋心なんじゃない?」
「恋心……」
エー子との話で、何か心の中に腑に落ちた気がした。
昔から私に足りなかったもの、それをずっと探していて、それが見つからなければ前に進めない気がしていた。
ずっと、ずっと探していたもの……。
それが、恋心……?
「それが運命の相手で、葉山先生だったら素敵な話だよねぇ」
「……」
運命の相手……か。
「あ……」
ポケットに入っていたスマホが激しく動いた。
見ると、圭先生からのLINE。